スキマスイッチ「Soundtrack」舞台裏B面

 

すでにnoteでスキマスイッチ「Soundtrack」のライブレポートなるものをあげましたが、

本筋に入らなかったので泣く泣く削ったものの、わたしが舞台裏で目撃して、どうしても書きたいシーンがございまして。1万字を書いても……なお……!

B面として、ごった煮で書かせてもらいました。この捉えようのないごちゃまぜの感情が1mmでも伝わると嬉しいです。

目次

  1. 1.「Soundtrack」のサインはどこに書かれたのか

  2. 2.5500本のどろソースという噂

  3. 3.ライトアップ!新人漫画家

  4. 4.『ユリーカ』と『パラボラヴァ』

  5. 5.九段下と聖地

1.「Soundtrack」のサインはどこに書かれたのか

当日は5500人の来場者に、お土産として漫画を収録した冊子が配られました。

これがな…すごい厚さでな…単行本かと思うくらいある…インタビューもセットリストも入ってる……。

んで、テレビの企画で、スキマスイッチのサイン入りの冊子が当たるというのがあって。楽屋でお二人がせっせとサインしてたんですけど。

表紙にサインしてほしいそうです、って連絡するスタッフの人に。

「えー……表紙、こんなに良い絵なのに?やだなあ、表紙にサインしたくない。良い絵だもん。俺らのサインはさ、こっちでいいよ。表紙の裏とか」

「ええ……でも、すみません、表紙って言われてるから……」

「表紙はこのままにしようよ。ねえ、お願い!」

「僕にお願いされましても……」

本番直前であわてふためくスタッフさんにゴリ押しして、結局、表紙の裏にお二人がサインを書いてた。

今回、制作を担当したのは、新人も新人漫画家なのに。しかもその漫画家たち、この場にはまだいないのに。サインするとこなんて見てないのに。

漫画を大切な作品として扱ってくれたのが嬉しかったので、ここで伝えとくね。


2.5500本のどろソースという噂

スキマスイッチの楽屋には、いろんな差し入れが並んでる。お弁当とかパンとかお菓子とか。その中でも圧倒的な存在感を放っていたのが。

どろソース。なぜ。

「ラジオで美味しいって言ったら、オリバーソースの社長さんが贈ってくれて……」

どろソースを。二人はとてもお喜びあそばされていた。

「俺、みんなに配ってくるわ!」

そう言って、胸いっぱいにどろソースを抱えて大橋さんが楽屋から消えた。本番一時間半前である。本番一時間半前に、ボーカルがどろソース持って走り回っている。

常田さんとわたしは楽屋でぼうっとしていたのだが、ひとり、関係者らしき紳士が入ってきた。

「今日、来場者にお土産があるんだってね!」

Soundtrackの漫画冊子のことだ。

「お土産って、どろソースなの……?」

大橋さんがあまりにもどろソースを配り回っているせいで、ライブの来場者お土産がどろソースだと普通に思われていた。

常田さんがあわてて訂正していた。どろソースは5500本も用意してません、って。どんな訂正?


3.ライトアップ!新人漫画家

わたしはリハーサルから会場入りしていたが、漫画家の蒼井アオさんと歩さんは、本番から会場入りだった。二階の関係者席から、他のお客さんと一緒にライブを見ていた。

ライブが終わり、エンドロールが流れたあと。

「紹介します。漫画の原作と作画をしてくれた二人です!」

大橋さんの合図で、二人が照らし出された。なんも聞いていなかった二人が、ビビりまくって、席を立って手を振っていた。武道館のピンライトで照らされる漫画家なんて、今までいたんだろうか。

リハーサルで

「あの二人どこに座るんだろう!?このへん?」

って、みんなでわちゃわちゃしながら照らしてたのがファニーだった。


4.『ユリーカ』と『パラボラヴァ』

セットリストのなかで、漫画を読ませるのではなく、あえて曲を聞かせるシーンもあった。それが『ユリーカ』と『パラボラヴァ』だ。

この二曲の演奏だけは、大スクリーンには漫画ではなく一枚絵だけが映り、照明も舞台を照らすように明るくなった。ああいう形で二曲を入れるかどうかはずいぶん迷ったそうだけど、

この先の物語の結末がワクワクするものであると示唆したい。
アップテンポな曲を終盤に持ってきて、みんなの気持ちをハッピーにした状態で帰ってもらいたい。

という意向から、大橋さんと常田さんが入れたとあとから聞いた。


5.九段下と聖地

予想外だったけど、嬉しかった出来事として。

「Soundtrack」のエピローグは、九段下駅で繰り広げられる。『奏 (かなで)』の歌詞から「改札」をテーマにしようと決めていたので、お土産の表紙は九段下駅の改札だ。

そしたら、ライブが終わったあと。

何人ものお客さんが、電車が行って人気の少ないタイミングを狙って、九段下駅で冊子を持ち、表紙と並べて写真を撮ってSNSにあげてくれていた。

漫画の世界と、現実の世界が、ストーリーで繋った。みんなが繋げてくれたようで、楽屋でスキマスイッチやスタッフのみなさんと

「わっ!駅で写真撮ってくれてる人がいる!」

とSNSを眺めながら、とても盛り上がった。初めて経験するカテゴリの嬉しさだった。

Live Blu-ray 「スキマスイッチ “Soundtrack” THE MOVIE」が6月8日発売!

 
コルク